モロの丘と平原
モロの丘は、カルデラ市街からプエルト・ビエホに向かう国道C-302号線を南に下って約15kmのあたりに位置します。このエリアは、「アタカマ大島海洋沿岸保護地域(AMCPMU-IGA)」の一部で、2004年12月第360号の海域保護条例(国防省)と、2006年施行の国家資産省保護政令第383号とにより保護されています。
その形から「クジラの丘」としても知られるこの丘は、海抜353mで、南北に伸びており、そのため南東から吹く風(フェーン現象)や、湿気をもたらす「カマンチャカ」(カマンチャカはこちらを参照)をさえぎるつい立ての役割を果たします。モロの丘の海に面した側は、岩々が切り立った崖になっています。カマンチャカの湿気は崖の斜面に沿って押しあげられ、頂上を越えると下降していき、この湿気によって常に植物が育成するエリアがうまれます。丘から内陸にかけては、厚みのある地盤のゆるやかな平原が広がっており、南方からのカマンチャカも湿気をもたらします。こうした現象により、地中植物(低温・乾燥などの厳しい環境に耐える休眠芽を地中に作る植物)に属する固有種のサボテン科の灌木が常に植生する地域がうまれます。このエリアの植物には、コピアポアと呼ばれるサボテン(Copiapoa marguinata)や、華やかな花を咲かせるリリオと呼ばれるアルストロメリア科のAlstroemeria philippii、「かくれんぼのサボテン」と呼ばれる小さな可愛いサボテン、 Eriosyce odieriなどがあります。
「砂漠の花畑」現象がある年には、このエリアは丘も平原も一面の花畑となります。ハイキングを楽しむにはもってこいの場所といえるでしょう。このエリアに暮らす種は、環境適応の仕組みを発達させており、厳しい環境でも生き延びることができるのです。
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海岸沿いの平原
Contreras.M,Cea Villablanca.A & Marambio-Alfaro.Y(2014).Flores de la comuna de Caldera,Región de Atacama.