カルデラ - 海岸と砂漠の競演 -
カルデラは、チリ北部からボリビア、ペルーにかけ広がるアタカマ砂漠の南端、海岸沿いの南緯27度、西経70度のあたりに位置しています。チリ第3州のアタカマ州に属し、州都コピアポからは約70キロほどです。カルデラは美しいビーチが大変有名な場所。バイア・イングレサと呼ばれるエリアはチリで最も美しいビーチのひとつとされ、夏にはバカンス客でにぎわいます。訪れる人の多くはビーチを目的としているわけですが、カルデラの魅力はそれだけではありません。海岸と砂漠が織りなす、他では見られない風景が訪れる人を待ち受けています。
アタカマ砂漠は、世界で最も降雨量が少ない砂漠とされています。しかし、砂漠という言葉のイメージとはうらはらに、「海岸沿いの砂漠」を意味するデシエルト・コステロと呼ばれるこのエリアには、たくさんの生き物たちが暮らしています。特殊な地理的環境のため、ここに生息する植物の多くは、限られたエリアでしか見られない固有在来種です。ある特定の時期に、ある特定の降雨量が得られると、地中で長らくこのときを待っていた種子がみるみる芽を出し、約3ヶ月後には砂漠は一面の花畑へと姿を変えます。この自然の奇跡、「砂漠の花畑(Desierto Florido)」現象は、ほかでは見られないもので、多くの人々がこのときを待っています。
このエリアは、古生物学的にも重要な地域となっています。今の姿からは想像もできませんが、1千万年前には海の底であったこの地域では、多くの化石が見つかります。砂漠を少し歩けば、数百万年以上も前のものとはとても思えないような貝殻の化石やサメの歯の化石などが見られ、当時の様子を語ってくれます。2011年には、約6〜7百年前のものとされる、80体を超えるクジラのほぼ完全な化石が出土し、各国から研究者が訪れました。
さらには、数百年前にこの地域で暮らしていた先住民族が岩に描いた岩画や、使っていた石器のかけら、石塚なども砂漠のさなかに、そのままの姿を残しています。
カルデラ地区のみどころと植物生息エリア
カルデラ地区の砂漠には、植物が生息する植生地域がいくつかあります。 このサイトでは、2014年に出版されたカルデラの花々についての書籍「Flores de la comuna de Caldera(カルデラの花々)」にしたがい、植物が生息する主なエリアを6カ所ご紹介しています。以下の6つのエリアの名前をクリックすると、詳しい説明が見られます。各エリアは、左の地図にアイコンで表示しているほか、それぞれの花のページにもアイコンが表示されています。
↓地図をクリックすると拡大します
各エリアの説明を見るには下の名前をクリックしてください
モラド峡谷 (Quebrada El Morado)
レオン峡谷 (Quebrada El León)
カルデラ平原 (Llanos de Caldera)
モロの丘と平原 (El Morro:Cerro y llanos)
コピアポ川湿地 (Humedal del río Copiapó)
(Planicies Costeras Puerto Viejo - Barranquilla)