海岸沿いの平原 プエルト・ビエホ〜バランキージャ

バランキージャの「砂漠の花畑」現象

カルデラ市街から国道1号線で南へ約40kmにあるプエルト・ビエホからバランキージャまで、約30kmに及ぶエリアです

湾岸沿いの平野としてはカルデラ区内で最も広いエリアで、ここから見るとチリ海岸山脈も遠目にうっすらと見えるだけで、その高さも感じられないほどです。地盤はわずかなこう配があるもののほぼ平らに広がり、かつての降雨によってできたごく浅い水溝が時おり見られます。大きな岩石はほとんど見られず、土壌は均質で中程度の大きさの砂利となっています。遮るものがないので、霧もやが遠い山々にまで達し、もやの水分をキャッチできるよう、低木はたくさん枝分かれした構造になっています。このエリアでは常に植物が生息しており、ヒユ科のアトリプレックス・デセルティコラ(Atriplex deserticola)や、コリータ・デ・オベハと呼ばれる固有種のサボテン(Eulychnia breviflora)、ムラサキ科のヘリオトロピウム(Heliotropium sp)などの小灌木類が見られます。

雨が降ると、低木の間の地面は一面の花のじゅうたんに覆われます。ここで見られる「砂漠の花畑」は大変ユニーク。色彩豊かなだけでなく、植物のサイズや形もさまざまです。スベリヒユ科のCalandrinia litoralisアニャヌカと呼ばれるRhodophiala bagnoldii,、テルシオペロと呼ばれるArgylia radiata、「グアナコの足」という意味のパタ・デ・グアナコと呼ばれるCalandrinia longiscapa(訳注:「パタ・デ・グアナコ」には、学術的には区別される非常に良く似た種がいくつかあり、このサイトではCistanthe cachinalensisをとりあげています)、 マルビージャと呼ばれるCristaria calderana、「ため息」を意味するススピロという名で親しまれるナス科ノラナ属の花々( Nolana sp、このサイトではNolana crassulifolia PoeppNolana acuminataを紹介)、美しい水色の花を咲かせるセレスティーナ(Zephyra elegans、「鉱夫の花」を意味する フロール・デル・ミネロ(Centaurea chilensisなど、低木類の緑の隙間を濃いピンク色や黄色、白、青、水色などが彩ります。

海岸沿いの平原に咲くセレスティーナ

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Contreras.M,Cea Villablanca.A & Marambio-Alfaro.Y(2014).Flores de la comuna de Caldera,Región de Atacama.