カルデラに暮らす植物たち

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書籍版への前書き (抜粋)

カリーナ・マルティネス・ティジェリア   Karina Martínez Tilleria

---カルデラ地区で見られる植物は270種に及びますが、そのうち254種が在来種です (Squeo et al.,2008)。この本では、そのうち67種が取り上げられています。地域でよく見られる代表的な種を中心に、見た目の美しさも考慮し、また本文中で紹介している6つの植生エリアで観察されやすいものが選ばれています。

チリ環境省による野生種分類(第9回実施まで、2013年7月25日承認)によると、この地域に見られる植物のうち、16種が危機に瀕しています。「絶滅寸前種」が1種、「絶滅危惧」が2種、残る13種が「危急」となっています。また、16種のうち11種が在来固有種で、2種が在来非固有種となっています。

また、全270種のうち、184種が在来固有種で、これはチリでしか見られないということを意味しますが、全体の68%を占めています。26%が在来非固有種で、外来種は6%に過ぎません。固有種がこれほど多いということは、この地域が生物多様性という点で大変重要だということです。このことはさまざまな研究(Nuñez y Veloso(2001)でも指摘されており、チリ北部の海岸沿いの地域に現在ある植生エリアは、鳥や爬虫類を中心とした野生動物の種の存続に大変重要な役割を果たすといわれています。

このエリアでもっとも見られるのは一年草や多年草で、全体の66%を占めます。ついで低木が28%、そして砂漠にあっては決して無視できないサボテン類が6%です。こうした割合は、アタカマ州について同様の調査を行った研究(Letelier y colaboradores (2008)とも一致しているのです。

Contreras.M,Cea Villablanca.A & Marambio-Alfaro.Y(2014).Flores de la comuna de Caldera,Región de Atacama.